コンクリートの健康診断をご存知ですか?
メンテナンスフリーといわれてきたコンクリート構造物も、周辺環境の変化や経年変化により、想像以上に劣化・損傷が進行していることは、マスメディア等で紹介され、世間一般にも知られてきています。表面剥離やクラックは初期症状の現れで、このような構造物には健康を保つために、医師(技術者)による診察(調査)と治療(補修)を行う必要があります。まだ大丈夫との判断は病状を進行させるだけでなく、重症(剥落事故で人命に危険を及ぼす)になる可能性があります。健康診断を受けることにより、不具合(環境変化)や老化現象(老朽化・劣化)を把握(診断)することにより、的確な治療を行うことが長生き(供用・使用期間の延長・安全な維持管理)の為に必要と考えます。
■ コンクリートの調査・診断 コンクリート構造物の劣化・損傷要因は、構造物を取り巻く環境条件・気象条件・外力条件などの外的要因と設計・施工などの内的要因に大別され、点検調査項目はその劣化・損傷要因によって変わります。そのため弊社では的確に劣化・損傷要因を推定し、診断・評価報告を行うため
「目視観察及び打音法」「非破壊試験器を用いた試験」「局部的に破壊する試験」を
併用し、コンクリート診断士が的確な診断を行います。
「目視観察及び打音調査」
ひび割れ ひび割れ測定 剥離打音調査
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シュミットハンマーによる調査 コンクリート構造物は特に圧縮強度に基づいて設計されており、また劣化に関連した物理特性の変化と圧縮強度とが深く関係しています。 |
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金属探知機による内部調査 無筋コンクリート構造物の場合には問題になりませんが、破壊試験調査においてコア採取等を行う場合、内部鋼材を切断してしまう場合があります。また、中性化や塩害を受けた構造物の調査においては、その構造物のかぶり厚さが評価を行う上で重要な要素となりますが、全ての内部鋼材のかぶりを斫りにより確認することは困難であり、また経済的とはいえません。これらの問題をクリアするために、鉄筋探知機(電磁誘導法)により非破壊で調査を行っています。 |
「局部的に破壊する試験」
■中性化深さ調査
中性化は大気中の二酸化炭素等、酸性物質の影響を受けて進行します。中性化によってコンクリートそのものが脆弱になることはありませんが、鉄筋腐食やそれによるひびわれの発生等の問題を生じさせます。
フェノールフタレイン法(コア法・はつり法)による中性化深さの調査、鉄筋かぶり調査の結果および鉄筋の腐食状況等を総合的に判断し、中性化劣化の評価を行います。
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コンクリート構造物において、コンクリートに含まれる塩化物や時間の経過と伴に進行する中性化は鉄筋腐食を生じさせ、構造物の耐久性を低下させるものです。長期間構造物を維持するには、鉄筋腐食に悪影響を及ぼす劣化因子の進行や腐食状況を調査し、耐久性を向上させる処置を行うことが重要です。
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上記の様な物件はよく目にしますが、近年コンクリート剥落によるトンネル・橋梁事故や人的被害が起きております。
* コンクリート診断士・・・社団法人日本コンクリート工学協会が認定する試験に合格したものに与えられる資格で受験資格においても右記の資格保有者と定められており、いわばコンクリート構造物に長年携わってきたプロが受ける、コンクリート診断のための試験です。
劣化や剥落による事故で人体、財産に損害を与えれば
管理責任が問われます。